カントー大学 TKN 中・高校 チャット・ビン中学校 アンザン大学 | チャット・ビン中学校![]() チャット・ビン(Chat Binh)中学校は、紅河デルタ地方の南端に位置するニンビン省(Tinh Ninh Binh)の省都ニンビン市(tx. Ninh Binh)から25キロメートルほど離れたキム・ソン県の稲作地帯にあります。 首都ハノイから約100km南にあるニンビン省は、面積1,378平方キロメートル、人口927,000人(2013年7月)で、ニンビン市の周辺には10世紀ベトナム王朝が置かれた古都ホアルーがあり、また「陸のハロン湾」と呼ばれているタムコックなど自然の景観にも恵まれ、「チャンアン名勝・遺跡群」は世界複合遺産に指定されています。 チャット・ビン中学校の生徒数は212名、全校で8学級・8教室の小規模な学校です。FUJI教育基金では、2002年から奨学金を授与し、40人の生徒に毎年贈呈しています。 学校データ
授与式のようす【2012年10月6日(土)午後: チャット:ビン中学校奨学金授与式より】レ・ティ・タック校長の挨拶 FUJI教育基金代表団の皆様 チャット・ビン中学校の先生、生徒の皆さん 本日、日本のFUJI教育基金代表団の皆様がチャット・ビン中学校を再訪してくださったことを大変嬉しく思います。 わが校の先生方、生徒たちを代表して、FUJI教育基金代表団ならびに会員の皆々様にご挨拶を申し上げますとともに、皆様のご健康、ご幸福、ご繁栄をお祈り申し上げます。 FUJI教育基金代表団の皆様。本日は私たちチャット・ビン中学校にとって非常に嬉しい日です。つまりFUJI教育基金代表団をお迎えする第11回目の日だからです。 生徒たちが貧困を乗り超え勉学に励めるようにと贈り物を携えて訪問してくださいました。 かつて奨学金を授与された生徒たち、あるいは現在授与されている生徒たちは、中学校、高校あるいは大学で勉強し、日々前進しつつあります。 私たちへの皆様方のご配慮は単に物資面にとどまらず精神面でも大きな意味をもっており、先生方、生徒たちが教授し、学習するうえでさらなる努力を促す要因となっています。 皆様方の私たちへのご厚情に深く感謝しております。学校側を代表し、心からお礼を申し上げます。私は、皆様方からいただきました奨学金を生徒たちに手渡すことをお約束いたします。 私たちは、生徒たちがいただいた奨学金を目的どおり、節約し、学習面で役立つように使用することを奨励したいと思います。 そして代表団の皆様が今後も私たちチャット・ビン中学校に、より一層のご関心を向けてくださることを願っております。 同時に生徒たちがますます勉学に励むよう奨励していきたいと思います。 最後に、代表団の皆様のご健康、ご幸福、ご繁栄およびご成功をお祈り申し上げます。 ありがとうございました! チャット・ビン中学校生徒代表の挨拶 FUJI教育基金の皆様、ご来賓の皆様、そして先生方ならびに親愛なる生徒の皆さん 私は、230名のチャット・ビン中学校の生徒を代表してご挨拶をさせていただきます。 本日、私たちが、FUJI教育基金の奨学金授与式典に参加でき、有益な多くのことを学ぶことができることは、大変栄誉なことであり、また誇りでもあります。それこそまさに誰もが望んでいることです。 幸いなことに、私たちは、今日、その満ち足りた幸せな気分に浸ることができます。 これもひとえに先生方が私たちに深い関心を持ってくださり、熱心に教育し、知識の海へと導いてくれたおかげで今日のようなよい結果を得ることができました。 それに加えてFUJI教育基金の援助があったおかげです。 過去数年にわたり、日本では地震や津波などが発生し、経済社会状況が困難に陥っているにもかかわらず、FUJI教育基金の皆様は私たちを支援するためにその条件作りに努力してくれています。 貴基金がチャット・ビン中学校を初めて訪問されてから今年で11年目になります。 私たち、チャット・ビン中学校が名誉に思うこと、それは、FUJI教育基金代表団を迎え、貧しい環境にありながらも学業成績が優秀な生徒たちに奨学金をいただけることです。 このことは、私たちとって大きな喜びとなっています。 FUJI教育基金の奨学金は私たちの学業面に寄与する物質的援助であるのみならず、私たちにとっての精神的贈物であり、さらには私たちがより高いレベルのものを求める刺激となり、かつ私たちにしっかり歩むための自信を持たせてくれます。 ここに参列している40名の奨学生はもとより、わが校の全校生を代表して、先生方の多大なご功労、またFUJI教育基金代表団のより大きなご功労に対し、心から感謝申し上げます。 皆様のこうしたご厚意に報いるため、私たちは、本日いただきましたものに恥じないように一生懸命勉強し、努力することをお約束します。 私たち、チャット・ビン中学校は、今後もFUJI教育基金が私たちへのご関心を示していただけますことを願っています。 そして私たち世代の生徒だけでなく、将来の生徒たちにも私たちが本日味わったような、嬉しくて、幸せで、感動的な気持ちに浸れるようにしてあげてほしいと思います。 最後に、ご来賓の皆様、諸先生方のご健康、ご幸福をお祈りいたします。 同時に生徒の皆さんが学業面においてより高い成果を得られるよう祈っています。 ありがとうございました。 (以上、出井訳) 生徒からの新年の手紙ファム・タン・フンさん男子・8年生(日本の中2)2011年2月20日 チャット・ビンにて。 (中略) いただいた年賀状で、ベトナムと日本のお正月の違いが分かりました。この違いは、国の風俗や習慣の違いからくるものですね。 私は、ベトナムの発展のため、病気を治す医者、もしくは高層ビルディングの設計士になる夢を持っています。皆さんからの奨学金は、私たちが夢をめざす力となり、私たちの勉強の費用の一部を支援してくれました。 私たちの田舎は、環境はたいへん良いと思いますが、大部分の人々は農家で、経済面ではまだ厳しいところがたくさんあります。そのため一部の生徒は、勉強がよくできても、貧しいために学校をやめなければなりません。ですからFUJI奨学基金は、貧困世帯の生徒にとって、たいへん大きな助けなのです。彼らに夢を与えてくれるのです。 最後になりますが、チャット・ビンの貧困世帯の生徒が、よりよく勉強できるために、これからも支援を続けていただきたいです。またそのために基金がもっと発展してほしいです。 皆さんが、いつまでも貧困の中で頑張っている学生たちの友人でいてくださることを願っています。 チャン・ティ・フエン・チャムさん女子・8年生(日本の中2) 2011年2月22日 チャット・ビンにて。 (中略) 皆さんのお正月はいかがでしたか? 私は、親と兄弟たちが帰郷しなかったため、祖父母と一緒にお正月を迎えました。家の中の人数は少ないけれど、お正月の雰囲気が変わることがあってはなりません。 大晦日の朝、私は、お祖母さんと一緒に市場へ、花、線香、果物、肉、バインチュン*)を包むための葉っぱなどを買いに行きました。皆さんもバインチュンの作り方をご存じですか? バインチュンは、時間を掛けて楽しく、細かく丁寧に作ります。バインチュン作りで私が大好きなことは、バインチュンをゆでるときです。外の寒さの中、暖かい火のそばで、出来上がるバインチュンを待つ気分は、とても楽しいです。 元旦は、いちばん楽しい日です。祖父母の家に親戚一同が集まり、新年を迎えます。そして皆でご先祖様を迎えるときが、いちばん神聖なときです。外は冷たい風とともに雨が舞い、家の中はご先祖様をお迎えする言葉とともにもくもくとお線香の煙が立ち込めます。ご先祖様を迎えたあとは、家族で食事をします。一年中で正月ほど楽しい日はありません。 2日は、叔父叔母たちを訪問します。3日は、同じクラスの友達と一緒に先生方に挨拶に行きます。 正月休みが終わると私たちは学業に戻り、友人や先生方と再会します。先生方と新年の挨拶を交わし、正月休みの出来事などを話します。 そして数週間たつと、田植えの時期がやってきます。気温は10度をうわまわるぐらい、空気は冷たいですが、作業が間に合うよう、私たちは田んぼに出なければなりません。 私は自分の両親のことも思います。両親は田植えの時期が来るたび夜中に起きて仕事をしなければならず、たいへん苦労しています。ですから私は愛する両親のために学業に励み、奨学金を受けることができるようにがんばりました。奨学金は、学費や他の費用に使いました。奨学金のおかげで、毎回、両親が私に学費を送らなくてもよくなりました。 私の家族は兄弟が多いです。しかし、どんな困難があっても勉強に励もうと決心しました。私は自分に合った専門職を目指すことを決めています。私の学校は、各自が望む専門教科に生徒を選抜します。私は受験生の中に入りました。第一に学校の名誉のため、第二に先生と友人のため、第三に私たちがもっと多くのことを学ぶため、私と親しい7人の友人は先生といっしょに高い成績を収めるため、頑張っています。 皆さん、今年も私たちの学校に来てくださいますか? 私たちの学校はずいぶん変わりましたよ。実験やコンピュータの勉強を受けることができるようになりました。図書館もできました。でも、まだ図書館利用カードがないので、本を借りることはできません。 皆さんがベトナムいらっしゃって、私の学校を訪問してくれることを願っています。皆さまのご多幸をお祈りします。いつも私のことを思い出してくださいね。もしよろしければ、日本の美しい風景の写真をお送りいただけないでしょうか。どうかベトナムのことを忘れないでください。 チャン・ティ・フエン・チャンさん女子・9年生(日本の中3) 2011年2月19日 チャット・ビンにて。 明けましておめでとうございます。皆さまのご健康とご多幸をお祈りいたします。 毎年、新学年が始まるたび、皆さまからのご支援のおかげで学校の本や制服などを買うことができ、家族に少しですが心配をかけずに済むことができます。皆さまの優しいお心遣いは、私たちを励まし、私たちの力になり、勉強も頑張ることができます。ですから、親に会うような嬉しい気持ちで、いつも皆さまにお会いしています。 学校の先生方、親、そして皆さまの応援に応えるため、私は学校の優等生として、インターネットを通じて行われる県の英語コンクールに参加し、最高得点(300点満点の300点)を得ることができました。こんどは数学のコンクールにも参加します。私は、全身全霊で頑張ります。 先日、ニンビン省の新聞社が私にインタビューしました。そして、よく勉強したお手本となる中学3年生として、私を新聞に載せてくれました。先生方とFUJI教育基金の皆さまの支援のおかげで頑張ることができ、私は幸せです。 でも、もうすぐ私の大好きな先生や学校とお別れです。皆さまと一緒に写した写真を目にすることがなくなり、皆さまとお会いできなくなることがたいへん寂しいです。 私は、みんなの病気を治すため、医者になるために勉強がしたいです。 私の家族は経済的余裕がありません。私の親は、3人の子供を養うため、とても苦労しています。いちばん上の姉は、ホーチミン市の大学2年生、兄はツードクの専門学校に入っています。2人は、1か月400万ドンで一所懸命に節約して生活しています。姉は、何か月も肉のない食事をしながら、父と母のために節約しています。私の母は足が悪く、父は腰がいつも痛くて、重いものを持つ仕事ができません。ときどき母が悲しい顔をしています。それを見ると、母のことで胸がいっぱいになります。 私は、両親、先生、FUJI教育基金の皆さまのため、良い子供となるように、そして勉強ができる生徒になれるように頑張ります。もう一度、皆さまとご家族がいつまでもお元気で幸せでありますようお祈りします。 |